調停は自分でできるの?

法律上,調停をするときに弁護士をつけなければならないわけではありません。
そのため,法的には,弁護士をつけずご自身で調停を起こすこともできます。

では,なぜ弁護士をつけるのかという話になりますね。
分かりやすくするために,弁護士をつけないで調停をする際にありがちなことを見ていきましょう。

一番多いのは,裁判所に分かってほしくて,不要なことを延々と述べて時間を浪費してしまうことです。
第1回目の調停で,裁判所が聞きたいのは,
①離婚をしたいかしたくないか
②どういう条件ならば離婚してもいいか
です。

ところが,多くの人は,第1回目の調停で,相手がどんなにひどい人なのか,自分がこれまでどういう仕打ちをうけたか,
いかに相手が不当なことを言っているかという話をしてしまいます。
その結果,調停での話し合いが進まず,また法的に関係のないところまで議論の対象になってしまい,解決までにとても時間がかかることになります。

また,一生懸命になりすぎるがあまり,法的に不利になることも言ってしまいます。
ご自身は有利だと思って話していても,自分でより深く穴を掘り進めていってしまう結果になることもあります。
これは,弁護士をつけない相手方がよくやっています。そんなときは,ありがたいなと思って,待合室で依頼者と笑っています。
弁護士をつけない人は,法律を知らないので,自分に有利なことなのにも関わらず関係ないと思って伝えていないということも頻繁にあります。
裁判所の人間は,あなただけの味方ではないですから,必ずしもあなたに有利な事情を引き出してくれるわけではありません。
むしろ,調停をまとめるために,法的には全然通らない相手方の言い文をあなたに押し付けてくることもあります。

弁護士をつけると,上記にあげたデメリットが生じません。
調停では,あなたに代わって弁護士が全てお話します。もちろん,不利になることは言いませんし,有利なことは書証という形にして提出いたします。裁判所から強引にこの条件で離婚したら?と押し切られることもありません。法的に通らないことは気まずくなろうが空気が悪くなろうがはねのけます。
また,調停や訴訟は,生き物です。相手方の出方や調停の進み具合によって,裁判所に伝える事実や出すべき書類は刻々と変わっていきます。その都度,その都度,今何を話すべきなのをすべて弁護士が判断し,対応していきます。
また,何か選択する場面(例えば,相手から慰謝料額の提示があった場合などです)になった際には,離婚案件を豊富に経験してきた弁護士がこれまでの経験も踏まえたうえで,メリットとデメリットをお伝えし,あなたにとって一番いい方法を一緒に考えます。弁護士はあなただけの味方です。あなたにとって不利なことは弁護士にとっても不利に,あなたにとって有利なことは弁護士にとっても有利になるように,あなただけのための契約書を作成します(例えば,親権が一番であれば,親権を獲得した際に報酬が一番大きくなるようにします)から,弁護士と利害が一致します。弁護士にとってもあなたが有利になることが一番なのです。

結論を言うと,調停は自身でもできます。しかし,弁護士をつけなければ,もったいない結果で終わることもあります。
弁護士をつけた場合,持っているカードを適切な時期に使ったり,法的な判断ができる人がいることによって,最もいい結論で終わらせることができます。
ただ,弁護士をつける必要のない事案(ご自身が法的紛争だと思っているものが離婚とは全然関係がない場合等です)というのもありますから,まずは相談されるのが一番です。
相談は,24時間お問合せフォームから承っていますので,お気軽にご相談ください。

【お問い合わせはこちらから】